徳島県、吉野川上流南岸、剣山の麓に建つ40歳を超えたRC造3階建の小学校耐震改修である。鉄骨ブレスを設ける耐震改修は、RC造のもつ構造システムを活かす工法ではなく松葉杖を突いているようなものだと感じ、ここでは本来のRC造らしい、元気な姿に戻しながら、施設の長寿命化と内部環境の向上を獲得することを目指した。
まず、バルコニー等の撤去をして自重の軽減を行い、南面は柱の両袖にRC壁を付加し、廊下のある北面は採光など内部空間への影響が少ないため一部の柱間全てを補強壁とするなど、RC壁による耐震補強策を考案した。
利用を取りやめた屋上には置き屋根を架け、クラックを補修した壁には杉板の服を着せて躯体の長寿命化と室内熱環境の向上を行い、RC造から鉄骨造に造り変えたバルコニー、桧材の縁側を新設し、明るく気持ちの良い学び舎への再生を行った。
所在地 |
徳島県美馬郡つるぎ町 |
施工主 |
つるぎ町 |
施 工 |
株式会社 松考建設 |
敷地面積 |
2,869㎡ |
延床面積 |
2,372㎡ |
竣 工 |
2011年3月 |
備 考 |
撮影:淺川敏 建築ジャーナル2012.01 新建築 2012.12 |