2014.11.15 Schedule
■開 会 (18:30)
開会挨拶
講師紹介
■まちづくり対談
「ひと・もの・まち」
講 師 多田 善昭(建築家)
聞き手 矢谷 明也(建築士会舞鶴支部常任幹事)
■閉 会 (20:30)
【多田善昭という人】
地方で活躍する建築家は数知れずいる。しかし、何かに取りつかれたように地域を憂い、時には正面を切り、時には裏側で髪を振り乱して、何かを仕掛ける建築家は数えるほどしかいない。それが多田善昭という人である。彼の傍若無人振りに共感する味方も多いが、反面敵もつくる。しかし、彼には異論が唱え難く、結果としては掌の上で転がされている。多田善昭の呪縛から逃れられない。厄介なのは、彼は有言実行、しかも期待以上の結果を残す。
何故こんな建築家がいるのか、その答えは意外と容易である。つまり、私たちが考えにも及ばない、地域に対する強い想いが溢れている。生まれ育った地を、誰よりも愛しているという自負心が、文化や慣習を今を生きる者の責務として、確実に次世代へ引き継ごうとしている。
そのためには、時間やエネルギーを惜しみなく使いきる。彼が大学を卒業した時代、志した建築の道にはさまざまな舞台が描かれたはずである。しかし、彼は迷わず生まれ育った善通寺に戻り、建築家として生きる道を選んだ。御旗を揚げるには厳しい環境だったはずであるが、彼は揺るぎなく善通寺、讃岐にこだわり続けて今がある。彼には今日の地域の活性化の課題という言葉はない。なぜなら、彼が求め続けてきた、「ひとをつくり、ものをつくる」ことこそが、地域をつくり、地域を継承する原点であることを知り尽くしているからである。誰かがやるのではなく、自分がやらなければという気概で今を生きているに他ならない。(文責 矢谷明也)