ものがたりを大切にする、四国香川の建築家・多田善昭

建築主と共に、暮らしの舞台となる土地を探しながら「ここならこんな暮らしができる」「こんな使い方がしてみたい」という思いを膨らませた。

敷地境界には塀などを設けず、工事中に掘り出された土を盛り、みどりの丘を作ることで、安全性の確保と景観対策とした。

暮らすスペースをL型としたプラン。「書斎」と「集いの間」との中間に45度の角度でおさめたキッチンからは、常に家族の顔が見える。L型に配置された部屋に囲まれる「うち庭」は車庫としての機能を備えるが、真の目的は友人たちが気兼ねなく集まれる空間を生みだすことだった。これから先、使い方は無限大だ。