次なる百年へ、この価値と想いをつなぐ。
明治43年(1910)に建立されて以来、約百年にわたり地域のシンボルとして存在し続けた本山寺五重塔。長い年月を経て目視でも分かるほど塔身が傾き、修理が必要となったため、平成25年(2013)より平成大修理がスタートした。四国に現存する明治時代の五重塔は、善通寺と本山寺の2例のみ。私たちは、歴史的建造物としての価値や、本山寺五重塔ならではの特徴を保持しつつ、安全性の付加と長寿命化を目指すことが必要であると考えた。そのため寺院関係者と建築・文化財等の有識者で構成する「本山寺五重塔整備委員会」を監修者とし、経験豊かな堂宮大工を擁する施工会社との連携を図りつつ、常に現場での検証を交えながら保存修理・耐震補強の方針を決定した。建築工事は完了したが、明治の建立、平成の大修理に関わった全ての人の想いや技術を、令和の落慶大法会、そして次なる百年へつなぐための物語は、これからも続いてゆく。
所在地 |
香川県三豊市 |
施工主 |
七寳山 持寳院 本山寺 |
施 工 |
伸和建設 株式会社 |
敷地面積 |
13,441.23㎡ |
延床面積 |
66.82㎡(開口を除く) |
竣 工 |
2019年1月 |
備 考 |
撮影:淺川敏 |