埋立地は自然公園法から除外するという規制に敢えて自主規制をかけ、瀬戸内海の風土的環境を護ることを設計条件に加えた漁村の公民館。
屋根組構造材に大断面集成材を使用することで国の補助を受け、木梁の間隔が短く、本数が多いことを活かした列柱が「縁」を生みだし、漁から帰港した人たちが作業や休息の空間を創りだした。この空間は開館に関わらず利用可能との評価も得た。
この縁は人を拒絶しない空間の役割を担うため、列柱を90度捩じり、どの位置から観ても太いところと細いところを見せる杉板化粧型枠コンクリート打ち放しで立て、縁の空間にやわらかさを与えた。
受付カウンターと隣り合わせに給湯室を配し、海に開いた「ハレ」の場、ロビーを集いの核とした。
所在地 |
香川県三豊市(旧三豊郡詫間町) |
施工主 |
詫間町 |
施 工 |
株式会社 鴻池組 |
敷地面積 |
1,158.33㎡ |
延床面積 |
182.16㎡ |
竣 工 |
1995年5月 |
備 考 |
撮影:淺川敏 新建築 1995.11 建築ジャーナル2012.01 |